摘心
植物の「生長点」は、新芽の先端がもっとも強く、その芽を摘みとることを「摘心」といいます
摘心をするとそれ以上伸びることはなくなり、その代わり他の生長点が伸びるようになります。
また、成長点をつけた芽を「わき芽(側枝)」といいます。
つるもの植物のわき芽を「子づる」、子づるから出るわき芽を「孫づる」と呼びます。
摘心をすると枝の数が増え、横に広がり葉や花・実の数が増えるので、野菜の収穫量を増やすために摘心することは重要な作業となります。
また、上へ伸びすぎて管理がしづらくなるトマトやきゅうりなどの「つるもの」では、生長を止めるために摘心します。
たとえば、きゅうりは子づると孫づるの1節目(1枚目の葉のところ)に雌花がついて実がなります。その実に栄養を集めるために、早めにわき芽の先端を摘心します。
わき芽とわき芽かき
わき芽とは、葉腋(ようえき)にある芽のことで、腋芽(えきが)ともいいます。このわき芽を摘心や切り戻しを行って頂芽(茎の先端にある芽)を取り除くと、わき芽は伸長し始めます。
摘心はわき芽を伸ばすために行いますが、主軸の生長をよくして実を充実させたい場合場合には、逆にわき芽を摘みとります。このことを「わき芽かき」といいます。 わき芽かきは、葉のつけ根にでる芽を摘み取ります。
すべてわき芽を摘みとって主軸1本に育てる「1本仕立て」、わき芽を1つ残してY字形に育てる「2本仕立て」、わき芽とあわせて3本の枝にする「3本仕立て」などの育て方をします。
切り戻し
伸びた茎や枝を途中まで切り落とすことを「切り戻し」といいます。摘心と同様、下から若い枝を伸ばす目的で行い、枝をリフレッシュします。一般的に、下の方の葉は全部、枝は10cmほど残して切り落とします。
たとえば、なすは最初の収穫が一段落した7月の終わりごろに、茂った枝を切り戻します。すると新たな枝が伸びてきて、秋にはまた、多くの実を収穫することができます。おいしい秋なすを実らすためには株のリフレッシュが不可欠です。